小野次郎 公式ブログ『ジローのおしゃべりサロン』

霞が関、総理官邸&永田町のすべてに精通する小野次郎のつぶやきとため息

再び「ダム建設」について

 「ダム建設」の見直しも、「政治主導」という考え方にも賛成。したがって、無駄と判断されるダム建設の中止にも異存はない。むしろ、この方針を着実に実現していくためには、反対の議論が勢いづいて実施が遅れたり難しくなったりすることを防ぐ配慮が必要というのが僕の持論。

 一つ目は、税金の無駄遣い防止の視点。その意味で、補償の拡大などで中止コストがつり上がれば反対論を勢いづかせる。計画段階の案件など中止コストが少ないものから優先的に見直す方が、無駄遣いを止める効果を明快に示すことができる。

 二つ目は、激変緩和の経過措置は行政に任せること。政治は原則を定め、また将来に向かって方針を示すこと。政権交代があれば当然、大胆な方針の変更もありうる。これに対して行政は、政治の方針に従い国民に対して様々な事業を執行する。実現までに「時間」もかかるし、直接、「お金」や「実力手段」を用いるため、継続性や法的な安定性が強く求められる。新たな政治的方針に国民の理解があったとしても、その急激な変更や「遡及的な」適用は、当事者に強烈な抵抗を招く。「政治主導」の政治でも、経過措置などは「行政」に委ねた方が良い。

 三つ目は、政権交代下での政策変更について。次の政権交代までに政策実現が完結する内容にまとめるべきである。一方、それを超える期間を要する政策分野については、次の政権にも引き継がれる内容に自制しなければならない。政権交代ごとに実現途上の政策がコロコロ変更されていたら、一般国民は、そのたびに大迷惑することになる。

 前原大臣は、見直し方針を円滑に実施に移すため細心の注意を払うべき。特に、地元関係者を中止反対で固まらせるのは得策でない。だからと言って、地元対策で自ら「補償」問題を取り上げるのも如何かと思う。立法から各個人に対する補償範囲の確定まで長期間を要すれば、現政権下あるいは現大臣の在任中に実質的な処理が終わらなくなる。

 今は「ダム」の話だが、おそらく今後は「空港」「港湾」「高速道路」へと見直しの対象が広がるであろう。その理念を理解するだけに、大臣が「最初の一歩」でつまずいてしまわないよう心配している。