小野次郎 公式ブログ『ジローのおしゃべりサロン』

霞が関、総理官邸&永田町のすべてに精通する小野次郎のつぶやきとため息

クラスター爆弾廃止条約を歓迎!

先日アイルランドで開かれた国際会議で、クラスター爆弾の廃止を定める国際条約がコンセンサスで採択された。日本は、最終段階で条約案の起草に参加する意思決定を行った。これまで国際会議の場で、廃止に関する国際取り決めの議論が行われてきたが、我が国として廃止に向けた明確な決意表明は無かった。政治家になる前4年半にわたって、安全保障担当の総理秘書官を務めた僕は、「国際的な議論の方向を見守る」という対処方針に基づいて、繰り返し国会での総理答弁を作成しなければならなかった。その事にずっと割り切れないものを感じていただけに、今回採択された条約への参加の決定を心から歓迎したい。

 2003年2月8日土曜日、小泉総理のカバン持ちとして、滋賀県饗庭野(あえばの)分屯地に於ける、我が国が保有する最後の対人地雷の処理に立ち会う機会を得た。対人地雷については、イギリス故ダイアナ妃のボランティア活動の姿などをテレビで見ていた僕は、条約義務の履行ではあっても、自ら非人道的兵器を廃絶する我が国の行動に誇りとひそかな感動を覚えた。
  2年後、僕の選挙区となった山梨県南アルプス市で、山梨日立建機の雨宮さんの話を聞いたとき、この感動がよみがえってきた。この方は、採算度外視で対人地雷処理器械の改良を手がけている。器械を売り込むだけでなく、しばしばカンボジアなどの東南アジア現地に赴いて、処理技術の指導に当たっている。危険を顧みず市民に対する危害の除去に努力する彼の姿から、日本人の国際貢献、日本の平和貢献のあり方を感じさせられた。

 あまり知られていないが、今回廃止条約が出来たクラスター爆弾を、これまで我が国は何百個と国内に配備している。防衛省は、外国からの侵略に際して海岸地域での上陸阻止のために使用するものであると説明してきた。しかし、アフガンやイラクなどに於ける戦闘では、軍事的に優勢な側が、局地的抵抗を続けるゲリラや民兵を殲滅するために、彼らが潜むと見られる集落全体を爆破する場合などに使用されている。これだと、その集落に生活する婦女子や高齢者などの一般市民まで被害に巻き込まれる。戦闘が終わった後に不発弾の爆発によって被害に遭うのもわが国の場合にはわが同胞の一般市民である。

 総理秘書官として、何回となくクラスター爆弾に関する政府答弁を準備したが、公務員としては公式見解を繰り返すしかなく、一度もこの矛盾や重大な疑問を公にすることは出来なかった。有権者から負託を受けて国会議員の身分を戴いた今、僕は躊躇することなく河野衆議院議長が代表を務めるクラスター爆弾廃止議員連盟に参加して、廃絶の意義を積極的に訴えた。官僚は行政、政治家は立法を司っており、国民の目から見れば一体として仕事をしているように見えるだろう。自分はその両方を経験しているが両者で大きく異なる点がある。政治家は、一人ひとりが自分の名前と責任の下に行動することが認められるが、官僚は常に政府や所属官庁の名と責任の下に行動することしか許されない。公務員時代の葛藤を思うとき、信念を持って非人道的兵器の廃絶を訴える事ができる国会議員の責任というものをあらためて噛みしめている。

 今後防衛省には、この条約の国内批准を先延しようとするのではなくて、むしろ近々禁止されるクラスター爆弾には依存しない、侵略阻止能力の維持に全力を傾けてもらいたい。そうした目的の新しい兵器の導入や部隊の配備については、自分も政治家として全面的に協力していきたい。他方、外務省には、福田総理ご自身にも働いて頂いて、クラスター爆弾を大量に保有しながら、本条約に不参加の立場をとる、米中などの諸国に対する外交的働きかけに、全力を挙げてもらいたい。国際社会においてクラスター爆弾は「持たない」あるいは、少なくとも「使えない」という常識が定着するまで、我が国が実践によるリーダーシップを発揮するよう強く期待する。

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